冬の家散歩
私は無類の散歩好き。
でも昔から散歩が好きだったわけではありません。
散歩が楽しいって思うようになったのは、
彼と散歩をするようになってから。
家にいるとどうしてもスマホやゲームにかじりついてしまう彼だけど、
散歩の時は家にスマホを置いて出てくる。
だから散歩中はゆっくり彼のお話を聞いたり、
私の考えていることを話したり、
贅沢に時間を使える気がしたのだ。
しかし外は随分と寒くなってきた。
私は寒い冬が苦手。死を感じてしまうから。
そして彼は寒い時期に薬の効きが悪くなる。
薬が切れてくると車椅子に乗ることはできても、
座った状態で体勢を保持することが難しくなってしまうので、
外に出るのは難しくなる。
無類の散歩好きには、過酷な季節の到来である。
そこで誕生したのが「家散歩」。
まだ1回しかしていないのだけど、その方法はいたって簡単。
①窓を開ける
②スマホを触らない
③温かい飲み物を用意する
④窓際に座る
これが、なかなか、良い。
外の空気は感じられるし、
いつも座っている場所ではない場所に座るから、
なんとなく意識が普段とは切り替わる。
寒くないからゆっくり話せるし、
温かい飲み物がさりげなく贅沢感を演出してくれる。
縁側でお茶を飲むみたいな感覚か?
そもそも私たちの散歩コースはいつも大体同じ。
右に行くか、左に行くか、その都度相談しながらすすむけど、
景色は変わり映えしない、いつもの近所の景色だ。
私にとって散歩コースは正直どこだっていい。
外の空気を吸いながら、ゆったり時間を過ごせたら
それだけで私は大満足なのだから!
寒くても、どうにかして散歩をしたがる私。
でも彼の薬が効かないと、散歩はできない。
そんな状況で、
私が散歩を我慢するか、
彼が無理して散歩に出かけるかの2択しかないのは、
なかなかしんどいものがある。
散歩といえば、外を歩くもの。
でも、そんなことはどーでも良いのだ。
私にとって大事なのは、実際に外を歩くことよりも、
二人でゆっくり過ごせる時間。
例えそこに一般的な「散歩」要素が残っていないように見えても、
私はこれを散歩と呼ぶことにするのだ!!
どちらかが我慢をするんじゃなくて、
それぞれのニーズの折衷案として
二人で一緒に楽しめる散歩(?)の形を見つけられたこと。
そのこと自体がなんだかとっても嬉しいおさかなさんでした^▽^