穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

大切にされてないのかな?

昨日は珍しく彼が1日怒ってました。

 

彼はパーキンソン病の影響で中学生の頃から車椅子ユーザー。

中学までは普通校に通っていたのですが、

高校は特別支援学校に通っていました。

昨日は特別支援学校での経験について聞かせて欲しいという

とある研究者の調査に協力するため、

オンラインでヒアリングを受ける約束があったらしいのですが、

それを相手方の急用でドタキャンされたとのこと。

 

この研究者の方は、もともと職場が一緒で、

私も彼も話したことのある顔見知りです。

彼はサシで飲みに行ったことがあるくらいの関係性。

全くの初対面とかそういうことではなく、

ある種、内輪な感じではあります。

 

でも彼にとって彼の特別支援学校での経験を語るということは、

そんなに簡単なことではなく、大切で、重要なことです。

実は数日前には私とリハーサルを兼ねて、

当時の経験について何が話せるか洗い出しもしていたほど。

それが、当日の数時間前になって、

「急用」でキャンセルされるという事態に、

彼は怒っていたのです。

 

例えばそれが「体調不良」だったら仕方ないとも思えるけれど、

「急用」でというところが、

自分との時間は優先度が低いと言われているようで、

とても嫌な気持ちになったと。

もちろん、止むを得ない事情というのはあるでしょうし、

詳細を言えない急用というからには、

何か尋常ではないことが起きたのかもしれません。

それでも、1ヶ月前から予定していた自分との時間よりも

優先すべき用事って一体何なんだろうと。

 

また、この話題は彼にとって簡単なものではないけれど、

この人になら話してみようかなと、

勇気を出して話すことを決めたわけです。

その決意が踏みにじられたように感じたのだと思います。

 

ドタキャンするにしても、

説明の仕方や、謝罪によっては、

そんなに嫌な思いをしなかったように思いますが、

今回は謝罪はあったけれど、わりとシンプルで最低限の内容で、

すぐに次のアポについての連絡が来るわけでもなく、

しばらく放置される状態になり、

余計に悲しい気持ちになったのかもしれません。

 

その方は障害のある人について研究をしている人で、

障害者差別や障害者の権利について常々主張をしている人だからこそ、

丁寧に扱ってもらえるという期待があったと思います。

今回その方に彼を蔑ろにする意思があったかどうかは、

正直わからないですし、

おそらく意識的にそうしたということはないと思います。

ただ、無意識下で優先順位が下げられてしまったり、

顔見知りだしまた別日にリスケすればいいやくらいに

思われていた可能性は否めません。

 

相手に確認もせずに

勝手に相手の意図を決めつけるのはよくないと思います。

ただ、彼が「大切にされてないな」と感じたのは事実。

私もその方を知っているし、悪い方ではないのも知っています。

問題意識を常に持っていて、これまでも特別支援教育の領域で

いろいろと研究を進めて実践にも移している人で、

私もリスペクトしていますし、

私が今の会社に入ったのも実はその人の影響だったりします。

そういう期待値がめちゃくちゃ高かったからこそ、

反動でがっかりしてしまったというのが大きいと思います。

 

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怒りっていうのはガビーン!とかショック!の2次感情だよね

 

意識的な差別や意識的な侮辱等はもちろん良くないですが、

無意識の差別や侮辱はもっともっとやっかい。

今世の中では「差別」に対する見方が厳しくなっていますが、

私たち自身も無意識に誰かを「差別」している可能性を忘れず、

相手と対等で、尊重する態度がどんなものなのか

問い続けなければいけないなと感じました。