穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

辛いこと、怖いことの分だけ

あったかい・・!!!!

うれしい・・!!!!

テンション上がる・・・!!!!!

 

今日は気温が急に暖かくなりましたね。

私は寒いのが嫌いなので、なんだか嬉しくなってしまいました。

 

 

「もう、春くるかなー!!!!」

 

とワクワクしながら彼に言ったら、

 

「んーまだだと思うよ」

 

と私だってわかってる真実を言われました!

 

私をぬか喜びさせないための優しさだそうです。笑

ありがとうな!!!😇

 

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私は元々冬が大嫌いでした。

 

今でも別に好きではないですし、

どちらかといえば早く終わって欲しいと思っているのですが、

昔は今年は無事越冬できるのか・・・?と

冬が来る数ヶ月前から身構えるほどでした。

 

大体11月過ぎた頃から3月頭頃まで、

冬の時期なると元々貧弱なメンタルが、一層弱ってしまうのです。

寒さと日照時間の短さと体調の悪さといろいろ相まって、

毎年毎年桜が咲き始めるまで絶望的な気持ちで過ごしていました。

 

一番困るのが体調不良。

冬になると体のどこかしらが痛くなる。

これは多分寒さに関係していると思うのですが、

体のどこかが痛いと、一気にあぁもう私は死ぬんだ・・という気持ちになり、

毎日毎日死についてばかり考えてしまうのです。

きっと普通に考えたら大したことのない痛みなのですが、

私が痛みに弱いのか、自分の体の変化に敏感なのか、

小さなことが大きく感じられる性質のせいか、

毎冬、自分で自分に余命宣告をしている感じでした。

 

死ぬ前に親になんて説明しようとか、

いろんな伝えそびれたことがあるんじゃないかとか、

友達にももう会えないかもしれないなとか、

遺書まがいのものをしたためてみたりもしていました。

 

客観的に見ると、なかなかに滑稽です。

実際はなんともなくて、ただの頭痛とか、ただの腹痛なのに、

当の本人は自分を不治の病だと思い込んでいるのですから。

いわゆる心気症?というのでしょうか。

私は特に冬になるとその才能が一気に開花して、

あらゆる不調を死と結びつけ始めるのです。

 

客観的に見れば滑稽かもしれませんが、

主観的には紛れもなく死に怯えて過ごす数ヶ月間。

死と隣り合わせなのでもちろん極然の状態です。

ストレスが溜まってさらに体調が悪くなる悪循環。

毎年なんとかかんとか3月を迎えて、

暖かくなるにつれて少しずつ落ち着くというのを繰り返していました。

 

と言うわけで、私は冬が大嫌い。

 

でした。

 

 

まだ私と彼がお付き合いを始める前。

彼は口説き文句のつもりで

「冬には一緒に鍋をしよう!」と言っていた。

「絶対に楽しいから!」と。

だから僕と付き合おう!ぐらいの勢いでした。

当時はこいつは一体何を言っているんだ・・・・??

本気で思っていました。

私の冬の間の苦労も知らずに、

「絶対に楽しい」なんてよく言えたもんだなと。

無神経にもほどがあると。

 

その後、紆余曲折を経て(どんな!?)

私たちは結局お付き合いをすることになったのですが、

初めての冬はやはり私のメンタルだだ崩れで大変でした。

日々死への恐怖もあるし、彼との関係も激動だったと思います。

 

でも彼は逃げなかった。

私が死に怯えている時は、

そんなの妄想だよと馬鹿にすることなく、寄り添ってくれた。

私が彼を信じられなくなって責めた時も、

それでも一緒にいたいと言ってくれた。

冬は私にとってまだまだ険しいものだったけれど、

私は、拠り所を見つけたような気持ちになりました。

 

冬は私にとって辛いことや怖いことが沢山ある。

それは紛れもない事実だった。

でも彼は、辛いことや怖いことが沢山あるなら、

その分、嬉しいことや楽しいことも沢山しようと言う。

辛い、悲しい、苦しいに占領されていた私の冬に、

少しずつ嬉しい、楽しいが彼の手で添えられていった。

それこそ鍋をしたり、チーズフォンデュをしたり、

一緒にお酒を飲んだり、クリスマスにプレゼントを交換したり。

 

私の調子が悪くなった時も、謎レベルの安定感で隣にいてくれた。

彼と私は死生観がだいぶ違う。

彼は死に対して私のような恐怖や不安を抱いていないのだ。

私の撒き散らす不安に飲み込まれることなく、

あっけらかんとしているから、なんだかちょっと安心する。

 

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鍋を楽しむ(?)おさかなさんと彼

 

その年以降、

私にとって冬はしんどいものではあるには違いないけれど、

死ぬほど怖くて耐えがたいものではなくなった。

あの時彼が「絶対楽しいから!!」と言っていたのが

しっかり実現されていてささやかな悔しさを感じつつも笑、

こうして楽しく冬を過ごせているのは奇跡的だし、

彼の存在あってのことなんだよなぁ・・と、

久々の暖かい冬の日に思い返したのでした。