穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

試行錯誤のための時間

昨日の夜、先日の件についてもう一度彼と話してみた。

anaodo.hateblo.jp

 

彼が私が仕事中に掃除をし始めたことに対して

「嫌だ」と感じたのには複数理由があった。

 

1、仕事に集中するのがただでさえ大変なのに集中が途切れるから

2、食事で周りを汚していることを私に指摘されているように感じたから

 

1は私が思い至らなかくて申し訳ない部分だったのですが、

2は私にそんなつもりはなかったけれど、彼にはそう感じられたと。

 

彼はパーキンソン病の影響で手が震えることがある。

するとどうしても食べカスがこぼれることが多い。

私は彼がこぼすことについては特に嫌とは思っていないのですが、

汚れている事実を放置するのは嫌なので掃除をしたい。

でも彼にとってはそれが当て付けのように感じられると。

 

こう感じるのには彼の過去の経験が関わっている。

食事の場面で、彼はよく怒られてきたらしい。

彼的には一生懸命食べているだけなのだけれど、

どうしても食卓が汚れてしまって、

お母さんから指摘されてきた経験があると。

だから汚してしまうことに必要以上に罪悪感があり、

それを掃除している人から指摘されているように感じるらしい。

 

なんか私みたいだな。

私はよく相手の表情を読みすぎて、

相手が自分に敵意をもっていると勝手に思い込んで、

悲しい気持ちになることがある。

彼にもそういうことがあるようだ。

 

私は掃除をし始めた時に不機嫌だった記憶は全くなくて、

彼が食事でテーブルを汚すことにイライラしていた記憶もない。

もしかしたら私の体調がいまいちだったので

それが表情にでてしまっていたというのはありえるかもしれない。

 

ただ、例え私にはそういう意識がなくても、

彼がそう感じたということは事実なので、

この構造はなんとかしないといけない。

さて、どうするか?

 

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これまでうちでの床掃除は基本、私の役割でした。

逆に彼はお風呂&トイレ掃除担当。

ただその場所を共有して使っているのであれば、

掃除する責任は両方にあるはず。

食事でテーブル周りを汚すのは二人の仕業ではあるけれど、

彼は自分でも汚してしまっているという意識がある。

ならば、食後のテーブル周りの掃除は彼にしてもらおう!

ということになりました。

 

彼は薬の効き具合によって体が動く時と動かない時があります。

なので「掃除をする」とか「お皿を洗う」というのは

なかなか大変な作業であることはお互い承知の上。

でももちろん体が動く時もあるのです。

そういう時だけでも自分で掃除をするようにすれば、

ゴミの存在にも気づくようになるし、

もし自分が掃除できる体調じゃない時は、

私に「やって」と頼めばいい。

そうすると彼は必然的に私に掃除を「求める」ことになり、

「やってもらう側」になり「感謝」も生まれるはず。

もちろん感謝してもらうためにやってる訳ではないし、

彼がこれまで一切感謝の気持ちがなかったという訳でもない。

でも結果的に私が掃除をするという事実は同じでも、

立場が変わるだけで随分と心持ちが違うのも事実です。

 

今日はご飯を食べた後、

テーブルの下を覗いた彼は「汚れている!」と認識。

彼は早速コロコロで床周りを掃除してくれて、

テーブルの上はウェットティッシュで拭いてくれました。

私はその間にお皿を洗うという連携ができました。

これで私は彼の仕事中に掃除をしなくてすむので、

私は綺麗な部屋で過ごせるし、彼は仕事の邪魔をされないので、

なんとかwin-winになります。

 

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これでwin-win?

 

ここで私は彼が掃除してくれたことを当たり前だと思わない。

彼も私がお皿を洗ってくれることを当たり前だと思わない。

お互いにお互いの役割をこなしているだけだけれど、

お互いのメリットのためにそれぞれが動いているので、感謝しあう。

ここが多分大事なこと。

 

今日はこれでうまくいった。

今後どうなっていくかはわからない。

いつも問題がある度に話し合って、

「こうしてみよう」ってまずやってみる。

でもそれが徐々にうまくいかなくなることもある。

そうしたら「じゃあ今度はこうしてみよう」とまた話し合う。

日々、その繰り返し。

だからこそ、この試行錯誤のための時間を惜しまないことこそが、

私たちにとっては大事なことなのかもしれません。