穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

全然楽しめない瞬間も

ケーキ作りに失敗した。

 

 

 

 

クリスマスだからって、

張り切ってケーキを作ろうとした私。

過去にもチーズケーキを黒い円盤にした(※焦げた)前科持ちです。↓

anaodo.hateblo.jp

 

 

また失敗することが頭を過ぎらなかったわけではないが、

前回の教訓から「失敗しても楽しめればいい!」と思っていたのか、

ワクワクが上回ってしまったのか、

何の疑問もなく作り始めてしまったのだ。

 

 

 

 

最初は彼と一緒に作るはずだったが、

彼の薬がなかなか効かなかったため、

結局一人で作ることになった。

初めてのチョコレートケーキに挑戦だったが、

きっとレシピ通りに作れば、

それなりのものができるだろうと思っていた。

そう、信じて疑わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【結果】

「黒い円盤」再び

 ※焦げました。

 

 

 

 

 

あまりの衝撃に写真も撮りそびれてしまった。

楽しみにしているクリスマスのケーキを、

私は真っ黒にしたということか?

しかも一人で作ったから失敗は確実に私のせい。

食材もしっかり揃えて、分量も丁寧に測って、慎重に作ったのに??

可愛くデコレーションして一緒においしく食べる予定だったのに、

何がどうしたらこうなるのか?

 

 

 

 

その時は

「また失敗した・・けど、まぁ、楽しければ、いい、か。。」

と思った。

前回のチーズケーキからの教訓が私にはあるのだ。

どんな失敗も、一緒に笑える人がいたらいい思い出なのだ。

そうだ。そうに決まってる・・!

正直まずそうだけど、焦げたところ切り落として、

あとで一緒に笑いながら食べよう。うん。

 

 

 

 

 

しかしご飯を食べ終え、いざデザートの時間が近づくと、

急激に黒い影が蠢き出した。

 

 

 

 

 

何かを楽しむのにはスキルが必要だ。

私は知識としてそれをわかっていたけど、

まだまだ使いこなせていなかったのだ。

ケーキを食べた彼が、きっと励ますつもりで

「うん、70点!」

と言ったとたん、涙腺が崩壊した。

 

 

 

 

 

せっかくのクリスマスケーキを失敗した悲しさ。

美味しいって言ってもらいたかったけど、それがかなわない悔しさ。

自分の不器用さが恥ずかしくて、惨めで、

一気に悲しい気持ちが私の心を占領しはじめた。

 

 

 

 

「全然楽しめない。

 せっかくのケーキが台無しで、すごく悲しい。」

 

 

 

それが私の素直な気持ちだった。

そのあと結局30分くらい悲しみに暮れ、

大泣きし、慰めてもらい、

徐々に落ち着きを取り戻した。

「作ってくれてありがとう。」

彼は繰り返しそう言っていた。

 

 

 

まるで小さな子供みたいだ。

何かがうまくできなかった時に

わんわん泣いて、親に慰めてもらっている、

4歳くらいの時の自分と何も変わっていない。

こんなことでいちいち泣いていてどうするんだ。

たかが、ケーキだぞ・・?落ち着け。

大人ぶる私は、4歳の私に言う。

 

 

 

 

でももう一人の大人の私は知っている。

この幼くて原始的な気持ちを認めてあげなかったら、

もっともっと自分も彼も苦しめていただろうことを。

ねじ伏せられた悲しみは、

どこかで歪んだ形で表出することを、

何度何度も経験して、痛いほどよく知っているから。

 

 

 

 

自分の中にある、都合の悪い、認めたくない感情に

スポットライトを当てること。

それは実はとても勇気のいることだ。

私は昨日、貴重な30分を悲しみに費やしてしまったけれど、

もし、あのままねじ伏せてしまっていたとしたら、

それは何時間、何日、何ヶ月、もしかしたら一生、

引きずることになっていてもおかしくなかった。

そして何かの拍子に攻撃性を伴って現れて、

大事なものを破壊していたっておかしくないんだ。

 

 

 

 

30分。

私は自分の中の悲しみの存在を許した。

いや、そんな上から目線で言ったら悲しみに怒られるな。

そこに悲しみがあることをただ認めて、

溢れるがままにした、と言うべきか?

いやいや、一緒に受け止めてくれる人がいたから、

溢れさせることを許せたという順番かも知れない。

とにかく、

この30分を経たおかげで、その後の私は心置きなく、

残りのクリスマスイブを楽しむことができたのである。

 

 

 

一見しょーもないことに思えることが、

私にとっては心をえぐる一大事なんだ。

その事実を否定することは、自分の感覚を否定すること。

だからたまには楽しめない時もある。

些細なことでそんなに?ってくらい落ち込むことも多い。

体調の優れなかった彼には負担をかけてしまって反省だけど、

それでもまた笑えるように、

一緒に受け止めてくれる人がいることに感謝しつつ、

私は私の悲しみも喜びもどっちも大事にしたいなーと改めて思った

クリスマスでした・・・!

 

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SEIYUさん様様のクリスマスディナーwith大人のワイン

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上にチョコレートを塗りたくって焦げをカモフラージュしたケーキ