多動→ダンス?!
彼は薬が効いていない時は全身がこわばって動けなくなりますが、
薬が効きすぎている時は逆に体と脳内がハイパーアクティブになり、
超多動になります笑
具体的にどうなるかというと、
早口になって話が止まらなくなったり、
手足が勝手にせわしなく動いたり(ジスキネジアというらしい)、
よくわからないことを口走ったり、
思考がまとまらなくなったりします。
外から見ている分にはただの愉快な人なのですが、
当の本人は自分の意思に反して体が動いたり、
頭の中が散らかってしまうのでなかなかしんどいみたい。
昨日の夜も彼は薬が効きすぎでハイパー多動状態。
色々収集がつかなくて「助けてーー!」状態な彼ですが、
脳内と体がとっ散らかっている様子が、
私にはいつも踊っているように見えるのです。
私は3歳からダンスをしていて、
元々はクラシックバレエ、そして大人になってからは
ジャズやコンテンポラリーダンスに親しんできました。
でもダンスを続ける中で、決まった振付やポジションに飽きてしまい、
最近はほとんど即興で思うままに踊ることが多くなりました。
そんな背景もあってなのか、
彼の立ち振る舞いは私の目にはダンスに見える。
そしてそんな彼の姿を見ていたら
私まで踊りたくなってきてしまうのです。
「ダンス!ダンス!!」
私が踊り始めると彼も乗り気になったのか、
いい歳した大人が二人、部屋の中で踊り始めます。
彼チョイスの音楽をかけて、
私はパジャマで、
彼は半袖短パンで、
布団のステージで好きなだけ踊る。
決まった振り付けは何もない。
体が動くままにダンス。
う〜〜〜〜楽しい!
カマキリみたいなヘンテコな動きをしてみたり、
リズムにあってなくてもステップ踏んでみたり、
互いの動きをマネしてみたり、
わざとリズムをずらしてみたり、
ぶつかってみたり、倒れ込んでみたり。
なんだか、笑けてくる。
暖房をMAXでかけても寒かったはずなのに、
いつの間にかじんわり汗ばんでくる。
大の大人が二人、布団の上で踊り狂う。
客観視したらシュールすぎる現場だけど、
私たちにとっては立派なダンスホール。
「ふ〜〜〜楽しかったね!」
踊り疲れて二人で座り込む。
ケタケタ笑う。
思い切りハグをする。
よくわからないけど、
なんだかすっごく幸せな気持ち!
安上がりな二人であります。
誰しもが意図せず踊っていて、
誰しもがその人固有の身体で表現をするダンサーだと私は思う。
私たちはきっとこれからも踊り続けます。
表舞台はまだちょっと恥ずかしいから、穴があったらこっそりとね。
でもそこでは誰の目も気にせず、思いっきり好きなように踊るんだ。
例え穴の外から見てそれがどんなに滑稽であってもね!!
(※踊りすぎたのか、彼はこの後気持ち悪くなって唸っていました・・笑)