穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

私達がやたらと気持ちを伝え合う訳

私たちはお互いの気持ちや状況について、

随時共有をしようという共通認識のようなものがある。

もともとその傾向はあったけれど、

同棲を意識しはじめてから一層その傾向が加速しているように思う。

 

・されて嫌なことがあったら、なるべくため込まずに相談する。

・調子が悪くてイライラしがちな時は、予め相手に伝えておく。

・してもらって嬉しかったことは、言葉にして伝える。

・直近の予定をざっくりでも相手に伝える。 

 

ざっとこんなようなことを意識している。

でもそもそもなぜそんなに共有したがるのかというと、

おそらくそれは、

これまでの失敗の数々から学んだ必須の解決策だからだと思う。

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まだお付き合いをはじめて日の浅かった頃、

突然私が何も話さなくなって、一晩中泣き続ける事件が起きた。

私は話せない理由も説明できず、自分でもどうしたらいいかわからず、

ただただ何かが猛烈に悲しくて、泣くことしかできなかった。

しかもこれが一度ではなく、

数ヶ月に1回くらいの頻度で似たような事件が起きていた。

1晩〜数日、私はほとんど彼と口をきけない。

彼は私の急な異変に途方に暮れる。

そんなことが何度か繰り返され、

その度にメンタルはなかなかに消耗された。

 

少し時間が経ってお互いに冷静さを取り戻したところで、

ちゃんと話をしようということになった。

最初のうちは自分が正しいとお互いに思い込んでいる。

いかに相手が酷いかとか、

いかに自分は被害者であるかを主張しあう。

酷いことを言って相手を傷つけることもあった。

不貞腐れて冷戦が続いたこともあった。

 

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冷戦中のおさかなさんと彼

 

でも例え泣きながらであっても話しを続けていると、

ある時点で本音混じりの気持ちがぽろっと出てくる。

 

「大切にされていないみたいで悲しかった

スマホばかり見てて寂しい気持ちになった」

「本当は楽しく過ごしたいのでできなくて苦しくなった

「気持ちが理解できなくて混乱した」 

 

相手がどう悪かったかとか、自分がどう正しかったかではなくて、

自分がその時どう感じて、それは何故なのか。

これが出てくると平行線を辿っていた議論は一気に展開する。

 

お互いに理解しようとしてるから、

お互いに大事にしたいと思っているから、

大事にされたいと願っているから、

一緒にいたいと思っているから、

それがうまくできなくて、

悲しくて、寂しくて、苦しくなってしまうんだ。

 

それがわかった途端、

自己保身やプライドでガチガチになっていた心がほぐれて、

相手への愛おしい気持ちや、

自分の中にもある反省点に目が向くようになる。

 

私たちは少しずつわかってきたんだと思う。

大事なのは、

その場凌ぎで気持ちを誤魔化し続けることじゃなくて、

自分の気持ちを理解するよう努め、

それをなるべく攻撃性を持たせない形で相手に伝えることだって。

そのためにも溜め込んで拗らせないように、

なるべく感じたその時に、自分で把握して伝えること。

それが関係性をよくする上で、

必要不可欠なことなんだと考えるようになった。

 

何度も、もう一緒にはいられないかもと思った。

けど、話し合う度に、もうちょっと頑張ってみよう、

本当はもっと一緒にいたいんだな、と思えた。

そう思えたのはきっと、彼がいつも

「おさかなさんと一緒にいたい」

「おさかなさんを大事にしたいと思ってる」

と、言い続けてくれていたからかもしれない。

今は大事にできてないこともあるかもしれないけど、

大事にできるようになりたいって、言い続けてくれたから。

最初の頃はなぜそんな風に言えるのか私には全然わからなかったけど、

いつの間にか、私も同じような気持ちになってるから不思議。

 

とまあ、こうは言っても

ネガティブな気持ちを攻撃性を持たせずに共有しあうのは結構難しい。

 

「今〇〇されたの嫌な気持ちだな。どうしてそうしたの?」

こんな風に言える時ばかりじゃない。

どちらかというと先に涙が出てしまうことが多い。

「元気ないね。もしかして寂しくなるようなことした?」

 たまにこうして探り合うこともある。

 

ただの憶測を現実だと思い込む前に、

なぜその言動をとったのかを確認すること。

嫌な気持ちになった時に、タイムラグ少なく相手に相談すること。

相手を大事に思ってることを伝えるために、感謝を言葉にすること。

そしてなるべく言動の意図をあらかじめ共有することで、

少しずつ大事件が起きる頻度は減っていって、

今では喧嘩をしても数時間〜半日で解決できるほどになった。

 

元々コミュニケーションが噛み合わない二人だからこそ、

意識してコミュニケーションを取らないと大事件に発展する。

必死に気持ちや状況を伝え合っているのは、

こんな背景があったからだったなーなんて、懐かしく振り返ったのでした。