穴があったら踊りたい

おさかなさんと彼の平凡で特別な日々です。そんな日々をドキュメンタリー映像にしようと目論んでいます。

彼の恩返し

周りの大人たちの顔色を見て生きてきた。

そうやって自分の居場所を守ってきたように思う。

 


怒られるのが嫌いだ。怒られることを恐れて、間違いや失敗を嘘で誤魔化そうとする癖がついた。

 


大学生のとき、生活費は実家からの仕送り頼りだった。

友達と少し遊びすぎたりすると、

生活がギリギリになった。

 


実家に電話をする。

お金が足りない言い訳を並べる。

 


"ちょっと遊びすぎちゃった。ごめんなさい"

 


これが言えなかった。

 


"だらしない"

という事実を指摘されるのがとても嫌だった。

 

 

 

ちゃんと一人でやっていけることを証明しないといけない気がしていた。

 


今思うと、本当にわかってもらいたかったのは、"ちゃんとできてる"じゃなくて、"だらしなくて、いろいろ足りないけど、なんとかやっていけてる"ってことで、"人並みに他人迷惑をかけて、人並みにもがきながら、人一倍楽しんでるよ"っていう事実。

 


親からすれば心配なのもよくわかる。

心配だから厳しいことを言わなきゃいけないと思うのもわかる。

 


でも、

 

 

 

ぼくが家族の見えないところで悩んできたこと、もがいてきたこと、工夫して少しずつ築いてきた生き方を、さも何もないかのようにいわれるのはとても悔しいことだった。

 


母とは、電話のたびに喧嘩をしていた。

 

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母に電話をするのをためらう彼


言わないでほしいことをピンポイントで言ってくる母に、わかっていても噛み付いてしまうのは、

 


それが、1番伝えたい相手で、いつか伝わってほしいとずっと願っているからだと思う。

 

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■ずっと伝えられなかったことを伝えようと思った訳

 

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たいわだいじ

最近母はずいぶん丸くなった。

わたしの話も理解しようと努めてくれているのがわかる。

 


それでも、、

 


いや

 


だからこそ、

 


おさかなさんとのこのはちゃんと話せないでいた。

 


大事にしてきた関係性を、否定されるのが怖かったのだ。

 

 

 

昨日思い立って電話して、同棲しようと思っていることを話した。

 


なんで話せたんだろう。

 


それは否定されても、大丈夫だと思ったから。

 


ぼくの中のきもちはゆらがないから。

 


母は邪魔をしたいわけじゃなくて心配なんだということがわかるから。

 


それだけわかれば、大丈夫だと思ったから。

 

 

 

"そんなだらしないのになんで一緒にいたいとおもうのかね!"

 


"自分のことも管理できてないのに他人と一緒になんて、絶対無理!"

 


やっぱり、いわれたくないことをいわれたけれど、

 


"わかってる。がんばってるよ!"

 


言えた。

 

 

 

いつもより短めの電話。

母は少しモヤモヤしているかもしれない。

 


あ。もう放っておいても大丈夫だな。

そう思ってもらえるように、

 


素敵な毎日をちゃんと生きよう。

 


それが

 


これまでたくさん心配をかけた家族に対する

恩返しかもしれない。